「里地」や「里山」を詠んだ五行歌の参考例  HOME 

一本のロープに

目刺しのように繋がれて

河原で大量に吊される
もうすっかり定着した
鯉幟のリサイクル




日の出も
日の入りも

窓から見える

そんな家に
住んでいる幸せ




歩いていて
山が見える街に住む
小さな自然が
人間の暮らしを
豊かにしてくれている




都心に近い
里山は
訪れる人にも
住んでいる人にも
嬉しいエリア



青から

紫へ

山間の斜面は

あじさいが彩る

寒色のグラデーション



持ち主を離れた

鯉幟たち

託された愛を

ふうわりと降らせながら

川に橋を架ける



茶畑を走る

軽トラの老夫婦

朝日を浴びて

キラッと光る

ロイヤルルーム



早仕舞いの

夕陽が

人の影を伸ばす

もっともっと

大きくなりなよと




あじさいの

花の川

山畑沿いに

民家までの

ながれ





函館の
山より望む
街明かり
掬ってみたい
摘んでみたい




『旅の五行歌』より
茨城
足立久二男


ふくらめた鼻孔は

胸を張らせ

腹の底までとどける

山から送られてくる

新緑の酸素入り空気を



雪山を屏風に
木立
凛々とあり
日だまりの
里山をつつむ




『旅の五行歌』より
神奈川
中アあや子
山里には色がある
日本の色
心の色
この私に色があることも
思い出させてくれる



『旅の五行歌』より
滋賀
阿部美智代
北国より訪れる
鶴の群
誰よりもこの町の
住み心地の良さを
知る者たちだ



『旅の五行歌』より
鹿児島
土屋英孝