「エコツーリズムの五行歌」の例
ふくらめた鼻孔は
胸を張らせ
腹の底までとどける
山から送られてくる
新緑の酸素入り空気を
青から
紫へ
山間の斜面は
あじさいが彩る
寒色のグラデーション
一本のロープに
目刺しのように繋がれて
河原で大量に吊される
もうすっかり定着した
鯉幟のリサイクル
歩いていて
山が見える街に住む
小さな自然が
人間の暮らしを
豊かにしてくれている
茶畑を走る
軽トラの老夫婦
朝日を浴びて
キラッと光る
ロイヤルルーム
梅は出囃子
辛夷は群舞
桜の乱れ舞いへ、と
野外舞台は
途切れなく続く
家の中まで
聞こえてくる
お囃子の稽古
この町内からも
あの町内からも
飯能には
天覧山が
二つある
登れば絶景
呑めば絶品